悪質コムスン、やはり!

 訪問介護大手のコムスンが介護報酬を不正請求したとして、厚生労働省が事業所の新規指定や更新を今後4年半認めないことになった。

 コムスンは、辞めたヘルパーを事業所の責任者として届けたり、他の事業所に常勤しているヘルパーの名義を使ったり、事業所の取り消し処分に相当する「不正な手段による指定申請」を東京や青森、群馬、兵庫などの8事業所で行った。さらにコムスンは8事業所の全てについて取り消し処分となる直前に、自ら事業所の廃止届けを提出して、処分逃れを行った。その為、厚生労働省はコムスンに取り消し処分を受けた時と同等の処罰を受けさせる必要があるとして上記処分を決定した。

 これに対し同社の親会社グッドウィル・グループは、コムスンの事業をグループ内の日本シルバーサービスに事業譲渡しようとしたが、厚生労働省の意向があって、これは止めさせられた。

 不正を行って、先手先手で逃げの手を打つグッドウィル・グループと後手後手で処分と指導を行う厚生労働省。

 一体、このグッドウィル・グループの折口雅博会長とは何ものなのか。

 折口雅博は日商岩井に勤務していた91年5月にディスコ「ジュリアナ東京」を企画。95年2月にグッドウィル・グループを設立、99年にコムスンを子会社化して、2000年の介護保険制度導入と同時に訪問介護事業に参入した。04年に41歳で日本経団連理事、05年に紺綬褒章を受章している。若手ベンチャー企業の経営者として注目を集めたらしい。

 折口雅博が00年当時だったか、テレビの中で「次は介護事業で儲ける」と公言しているのを聞いて、私は介護を金儲けの手段としか考えていないろくでもないやつだと感じた。介護保険導入直後には、利用者を計画通りに確保できずに職員の大量リストラを実施している。介護が金儲けの手段なら、職員も金儲けの道具としか捉えていない姿勢が見え見えであった。

 しかし、世間は馬鹿ばっかりである。毎日、「ハロー、コムスン」とか言って、テレビでコマーシャルを流しっぱなしにしておけば、客は来るのである。コムスンの介護サービスを受けている人間が6万人いるらしい。こんな日がいつか来るだろうと思っていたが、やっぱりである

 若手ベンチャー企業の経営者、ろくでもないやつらばかりである。堀江、村上、折口。皆、どこか、人間としての何かが欠けている人間、人類に対する愛情のようなものが。こいつらの幼児時代を見てみたい。愛情の無い家庭で育ったんじゃないか。こんな人間をもてはやす年寄りも悪い。その発言を聞いておれば、ろくでもないと直ぐに分かる折口みたいな人間を理事にする日本経団連とはどういう組織なのか。これ程、人を見る目の無い組織は日本の事をとやかく言う資格は無い。恥を知るべきである。

 私が注目している経営者は、ワタミグループの渡邉美樹社長である。居酒屋「和民」。自分の勤める会社を「誇れるよい会社」、「地球上でありがとうをいちばんたくさん集めるグループ」にしたいと言う。彼はまた非常に重要なことを言っている。「「ワタミ」は売り上げを上げるために事業をしているのではありません。1人ひとりの社員が人間として成長してほしいと考えています。会社はそのための道具であり舞台です。」

 この人の話をテレビで聞いていると人に対する愛を感じる。根底に愛がある。だから彼が介護事業もやってみたいと話しているのを聞いたとき、このような人に介護事業をやって欲しいと思った。今、渡邉美樹、介護事業を検索したら“企業家ブログ”と言うのが引っかかった。その中で彼は企業家に必要な資質として、「情熱」、「自信」、「愛情」の3点を挙げ、その中でも「愛情」が難しいと言っている。なぜなら、10歳までに両親や周囲から与えられた愛情の量によって人の愛情のキャパが決まり、愛情のキャパが小さい人は、愛情を配れないと言っている。私もそう思う。

 堀江、村上や折口といった愛情の乏しい馬鹿企業家共とそれをもてはやした世間。こいつらもおかしければ、世間もおかしい。

 特に残念なのは私の愛情のキャパが小さいことが、私の最大の問題である。

(2007年6月10日記)

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