三子山(みつごやま)(799.7m)

【前書き】
 テレビや新聞で九重のミヤマキリシマが見頃だと騒いでいる。大船山のミヤマキリシマを見てみたいと思っていたが、登山者で混雑する状況は大嫌いである。混雑を避けるためには、夜中に登るか、日の出前に朝一で急いで登るしかない。しかし、現在はそんな体力も気力もない。さらに金曜の会社帰りに終電まで飲んだので土曜は二日酔いでダウン。日曜は九重も雨。雨が降らない地域を探すと島根まで行くしかない。
 それなら津和野の借家予定の家から見えると思われる三子山に行ってみることに。匹見のわさび栽培状況を確認するために匹見側から登ることにした。

【年月日】’13.6.9(日)
【コースタイム】匹見清谷登山口(8:45)→大亀岩(9:30)→尾根分岐(10:15)→北峰(10:20)→岩乗(10:30−45)
          →北峰(10:55)→中央峰(11:05−10)→尾根分岐(11:17)→大亀岩(11:42)→登山口(12:20)

【同行者】単独

【写真と解説】

 前の晩に三子山の情報をネットで探すが、ほとんど引っかからない。特に匹見側からの情報はきわめて少ない。山と渓谷社の「島根県の山」に載っているのに実際に登っているのは地元の登山会やイベントだけかと思いたくなるほどである。心配なのは駐車スペース。私が最も心配するのはこれ。「島根県の山」には道路に止めればよいと書いてあるが。
 現場に着いて事情が分かった。写真の道路の先は行き止まりだから車の通行はほとんど無いし、駐車可能なスペースもあった。
 今度は登山道はどこにあるのか迷った。写真のように民家の前に「三子山登山口」の案内はあるが、民家の敷地に入っていくの? また「島根県の山」を取り出して読む。確かに「橋を渡り、家の横から裏に回ると細い登山路がのびている。」と書いてある。


 今日は「島根県の山」に書いてある“ワサビ田”がどんなものかを確認するのも目的の一つである。ワサビ田といっても島根の古い方式の渓流式や静岡の畳石式がある。その他、長野や地域によって色々な方式がある。家の裏に直ぐわさび畑があった。これは“田”ではなく、“畑”である。葉や茎や根を加工原料用に生産する場合は畑やハウスで栽培される。


 畑の石垣にユキノシタが群生していました。


 ワサビ畑の横を登っていくと段々手入れのされていない放棄地になりました。石垣があって、寒冷紗を掛けるための枠が残っているので昔、ワサビを栽培していたのは間違いないようですが、これは“田”ではなく、“畑”のようです。帰りにこの放棄地の畑の中で道が分からなくなり往生しました。


 やはり登山者はほとんどいないようです。人が雑草を踏んだ跡がほとんど残っていません。本当に最後まで登れるのか少し不安。雨も心配だし、熊よけの鈴も忘れたし。


 大亀岩です。木の陰で全体が見えませんが。「島根県の山」には(匹見町史では狼岩)と書かれているそうなので匹見にも昔は狼がいたのかもしれません。祖母・傾山系で昔、狼騒ぎがありましたが、あれはどう見てもシェパードでしょう。場所も傾山の九折鉱山跡登山口の目の前ですし。匹見は昔は山賊が出る場所であったと母が言っていたのを思い出します。島根の中でも匹見は山奥ということでしょう。


 古い林道に出ました。林道は草ぼうぼうで使われていないようです。


 尾根に出て、まず北に向かいました。尾根の自然林は快適です。直ぐに北峰に着きました。展望もないので岩乗へ向かいます。


 岩乗に着いたら目の前にミヤマキリシマみたいな花が。人が植えたツツジ?か、自然のものかは分かりません。ツツジにしては小さすぎるし。


 遠くに安蔵寺山が見えます。安蔵寺山等の方向を示していたであろう標識は倒れています。


 左手前に高鉢山、燕岳の尾根があって、その奥に安蔵寺山、香仙原の尾根でしょう。冷静に考えてみると借家予定の家からここは見えないのかな?


 中央峰です。ここから南峰まで行って引き返すつもりでしたが、植林帯の様だし、空模様も怪しいので引き返しました。

【後書き】
 ここの尾根歩きは距離は短いですが、感じの良い森です。岩乗からの展望も晴れていたら良いはずです。
 登山口のわさび畑は一部で細々と栽培していましたが、大半は耕作放棄されていました。近くにまだ家は結構あるのですが、若者はいなくなって耕作できないのでしょう。残念なことです。

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