アメリカの本質を顕わしたベネズエラ攻撃
3日に突然アメリカがベネズエラを攻撃してマドゥロ大統領を拘束し、アメリカに連行した。これが国際法と国連憲章に違反していることは明らかであるが、アメリカはこれと同様の事を昔から何度もやってきた国なので驚くには当らない。従来はCIAなどがこっそりとアメリカの意に沿わない政府を転覆させたり、新米軍事政権を立ち上げさせたり、表立ってアメリカの存在を示すことは少なかったが、今回はトランプがあからさまに攻撃を行った。
今回の件はまあ、西欧が言う『自由、平等、法の支配』というのが如何にインチキであるかを示している。要するに大国が弱小国を支配して何が悪い!と言うのが本音である。
同じことを主張しているのが中国の習近平である。2017年に習近平がトランプ大統領と会談した際、太平洋の東半分をアメリカが、西半分を中国が管理しようと持ちかけている。そして現在ではアメリカも世界を中国との二大国で支配する構想に近づいているのではないか。
アメリカは昨年11月に新しい「国家安全保障戦略」(NSS)をまとめ、西半球(北米や中南米)を重視するモンロー主義への回帰を鮮明にした。西半球の米単独支配を認めさせる見返りに、中国のインド太平洋、ロシアの欧州覇権を事実上黙認することも考えられる。今回のベネズエラ攻撃は単なる反米のマドゥロ大統領の排除ではなく、石油をはじめとする豊富な鉱物資源の利権確保と南米諸国からの中国とロシアの排除にあると考えられる。
今回のアメリカの攻撃を喜んでいるのは誰か。中国とロシアである。
法の支配を掲げるアメリカが自ら国際法と国連憲章に違反して、大国が弱小国を意のままに操ろうとしたのだから中国とロシアも同じことが出来る!軍事力で何でもして良いんだ!とお墨付きを貰ったようなものである。
そもそもトランプは最初からロシアのウクライナ侵攻を悪いことと思っていない節があるが、これからは更にロシアに自由にさせるだろう。(そもそもNATOが東進しなかったらロシアの侵攻も無かった訳でトランプの判断は正しい面もある。)中国もそもそも自国領土の台湾に武力侵攻して何が悪いという事になる。
本当に世界は戦国時代のようになった。誰が将来世界を統一するのか。弱小国日本はどうやって生き延びれば良いのか。
日本国憲法の前文に『平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会』とあるが、現在ではこれは夢物語である。日頃、法の支配を唱える西欧も日本も恐いアメリカに対して今回の件で強く非難出来ないでいる。強く非難しているのは国連のグテーレス事務総長と中国、ロシア、ブラジル位ではないが。まあ、中国とロシアも国際法を堂々と破るろくでもない国であるからどの口が言うかと思わないでもないが。
(2026年1月5日 記)