馬鹿の極み!教育方針『人に迷惑を掛けるな!』
自分が子供の時代からテレビで良く聞いた言葉がある。親の教育方針の『人に迷惑を掛けないこと』。しばしば聞いた記憶がある。当時から何となく違和感を抱いていた。
教育方針と言うならもっと大事なことがあるだろう。『人に迷惑を掛けないこと』という内向き、孤立主義の考えを子供に押し付けては日本に未来は無いし、実際にそういう日本になり下がってしまった。
そういうくだらない教育方針で当時子育てをした親たちが現在老人になってテレビの中で何と言っているか。
老人向けの生命保険の宣伝で良く言っている言葉『子供に迷惑掛けたくないから』。『葬式代くらい残したい』。
本当に内向き、孤立主義の馬鹿老人、親だと思う。
戦後日本は家制度を廃止し、結婚は両性の合意のみに基づくとされ、何を勘違いしたのか、日本人は核家族制度が人間のあるべき姿として、家族の孤立化を進めてきた。
子は自分たちの幸せの追及を至上命題とし、親や先祖に対する尊敬の念、扶養の義務を忘れた。
アメリカによって押し付けられた家族観を勝手に解釈して家族の孤立化を人間の最上の事のように勘違いして進めてきた。
コロナ禍の最中。フランスなどのヨーロッパ諸国では厳しい夜間外出令が何度も発令されたが、夜間、人々はある部屋に集まり、何度もパーティを行っていたのだという。この報道を見て私は当時、ヨーロッパ人は本当に規制を守ることのできない馬鹿な民族だなと考えていた。
ところがある日の報道を見てびっくりしたのである。夜な夜な人々は爺ちゃん婆ちゃんの部屋に集まってパーティを開いているのだという。コロナ禍で外出が制限される中、子や孫が爺ちゃん婆ちゃんを心配して集まっているというのである。その流暢に日本語を話す外人リポーターはこうも付け加えたのである。『世界中の老人の中で孤立して寂しい生活を送っているのは日本の爺ちゃん婆ちゃん達だけですよ』
お寺から頂いた月のことば(872)の冒頭は以下のように始まっていた。
「他人に迷惑をかけないなんて誰が言ったのか知りませんが、人間は居るだけでお互いに迷惑なんです。お互いに迷惑を掛け合って生きているのだというふうに認識すべきだと僕は思う。」ジブリ映画で有名な宮崎駿監督の言葉です。
その通りだと思う。「他人に迷惑を掛けない」よりも「皆で助け合って生きていきましょう」が良いと思うのである。
先日、寺仲間の80代の仲の良い爺ちゃんが「人に迷惑を掛けるから早く死なないといけない」というので私は「何と馬鹿なことを言うのか!人は迷惑を掛け合って助け合いながら生きていくしかないんだから気兼ねすることなく子供に迷惑を掛けたらよい。そこにある今月の月のことばにも書いてあるからじっくり読んでみて!」と言ったのである。
最近、墓じまいの話を良く聞く。そして最近の流行りは樹木葬だという。これも「子供に迷惑を掛けたくない」との思いだろう。
もう日本人は終わったと思う。親も先祖も大事に思う心を喪失してしまった。そんな国民が祖国愛など抱く訳がないではないか。情けない。
(2024年9月1日 記)