米国防衛のために何故日本国民を危険に曝すのか!

 トランプが北朝鮮に空母カールビンソンやトマホーク巡航ミサイルを搭載した原子力潜水艦ミシガンを派遣した。4月25日の朝鮮人民軍創建85周年には何事もなかったが、この事態で日本国民は非常な危険に曝された。

 内閣官房国民保護ポータルサイトでは、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合のJアラートによる情報伝達の方法などを広報している。正に日本政府は北朝鮮と米国の紛争が発生した場合、日本に北朝鮮の弾道ミサイルが飛んでくることを想定しているのである。

 それでは、北朝鮮は日本に打ち込める弾道ミサイルをどの程度保有しているのか。4月26日付朝日新聞国際面では、日本と在日米軍を攻撃目標とする射程1300kmの中距離ノドンを200発以上保有するとされている。200発を発射されれば、どういうことになるか。軍事オタクの石破茂元防衛相はテレビでミサイル防衛はイージス艦とPAC3でほぼ日本全土をカバーできると言っていたが、迎撃できる自信があるのは、単発又は数発だけなのである。200発などという大量のミサイルについては、全く手の打ちようがないのが現実なのである。

 そしてイージス艦が落とせなかった場合の最後の砦となるPAC3の射程距離は約20kmしかない。たったの20kmである。パトリオットが日本にどの程度装備されているか知らないが50基は無いようであり、その大半は自衛隊基地と在日米軍基地に配備されているようであるから日本国民の大半は全く保護の対象から外されているということになる。要するに北朝鮮の中距離弾道ミサイルノドンに対して実際には日本は完全な無防備状態にあるということなのである。

 このような状態であるにもかかわらず、安倍はトランプの北朝鮮への軍による圧力に直ちに賛意を示した。しかし、北朝鮮のミサイルは本来アメリカを目標としたものである。日本など関係ない。北朝鮮はアメリカの核を恐れており、それに対抗しようとしているのである。アメリカは“核の先制攻撃権”を世界中に宣言している。北朝鮮が特殊というならアメリカも野蛮で特殊なのであるが、日本のマスコミはそういう報道をしない。

 この北朝鮮とアメリカの戦いで、北朝鮮がアメリカに達するICBMの開発が完成に近づいてアメリカの危険性が高まったからといって何故日本が第一の危険に曝される必要があるのか。アメリカ国民はまだ何の危険にも曝されていないのにである。北朝鮮のノドンが玄海原発に間違って落ちたらどうなるのか。高濃度の放射性物質が偏西風に乗って東に流れるから実質、日本は人の住めない国になってしまうのである。日本国民一億三千万人が難民となって世界中に散っていくしかなくなるであろう。ダムに落ちたらどうなるか。大量の土砂と水が一気に流れて下流の住民は家毎流されるであろう。では、原発がPAC3の防衛対象になっているのか?なっていないとしたら大問題である。

 米軍が北朝鮮の核開発を阻止するために核施設を攻撃したらどうなるのか。爆破された核施設の放射性物質が同じく偏西風に乗って日本を覆うであろう。

 トランプが言うようにこの20年間、アメリカの対北朝鮮政策が間違っていたことは確かである。何もせずに放置して、脅しだけは掛けてきた。“核の先制攻撃”をちらつかせ、“斬首作戦”を公言して。冷静に見ると北朝鮮もならず者だが、アメリカも相当なならず者である。このならず者であるアメリカ国民を守るために日本が第一の犠牲者になる可能性を進んで背負うことを宣言する安倍は真の売国奴である。

 マスコミの対応も極めて問題である。北朝鮮の脅威を報道するばかりでアメリカ追従の危険性を指摘する報道が全く無い。何も考えないマスコミ。これが最も危険な動きだと思う。日本を前回の戦争に突入させる片棒を担いだ新聞・マスコミが全く反省せず、同じ過ちを犯そうとしている。日本のマスコミは馬鹿集団である。

(2017年5月3日 記)

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