滅びゆく統一教会、そして集金手法としての先祖解怨の話

 岸田首相がやっと重い腰を上げて永岡桂子文部科学相に対し、旧統一教会に対する宗教法人法に基づく「調査」を指示した。『調査結果によっては、同教団の法人解散命令請求を裁判所に出すことにつながる。』と新聞記事に載っているが、そもそも調査自体が解散命令請求を前提としたものであろうから調査を行って解散命令請求を出さないという事は考えられない。

 欧米では統一教会のような反社会的活動を行う組織に対し種々規制を行い、その活動を規制してきたのに対し、日本では多くの被害者が40年前から発生しているにもかかわらず政府は統一教会を放置してきた。放置しただけでなく、岸信介、金丸信、安倍晋三といった自民党の歴代ドンが統一教会を日本に導入し、支援し、共生してきた国民を食い物にする反社会的統一教会を擁護してきたのである。

 統一教会の被害者である山上容疑者の安倍元首相銃撃事件によってやっと事態は動いた。山上容疑者がここまでしなければ、永久に統一教会の被害者は泣き寝入りだっただろう。

 この状況下で統一教会は最後の悪足掻きをしている。未だに大嘘をつき続ける世界平和統一家庭連合の追記で書いた元2世信者小川さゆりさんの会見時に統一教会の顧問弁護士が送った会見中止要請のFAXには、親心から送ったという一方で会見を中止しなければ法的措置も検討すると脅しの文言も入っていた。また、元妻が世界平和統一家庭連合、旧統一教会の信者の橋田達夫さんは元妻が1億円を献金し、また長男が自殺するという悲惨な経験をした被害者であるが、世界平和統一家庭連合の勅使河原本部長が面会を拒否したにもかかわらず突然自宅を訪れ、橋田さんが警察を呼ぶ騒ぎになっている。その際、勅使河原は、『メディアに出てほしくない』と言ったのである。

 統一教会の被害者に対し、会見を中止せよ、さもないと法的措置を取るぞ!メディアにでるな!と統一教会は完全に被害者の脅しに入っているのである

 当初、統一教会の問題に対し、消極的態度をとっていた岸田政権であったが、支持率がどんどん低下し、対応せざるを得ないと考えたのであろう。この状況を作ったのは統一教会が最も恐れるメディアである。その中でも徹底して、統一教会を潰すまでは報道を止めないという意思を感じるくらいの勢いで取り組んでいるのがミヤネ屋である。その10月13日の放送で取り上げられたのが、統一教会の集金手段の一つとなっている『先祖解怨』である。ミヤネ屋では、『先祖解怨・祝福ガイドブック』第7版(2012年)を独自入手し解説している。2009年のコンプライアンス宣言後にも先祖を利用した霊感商法的手法で信者から金を巻き上げる手法が良く分かる。

 そもそも今月4日の会見で勅使河原は記者から「教団の教義の中に献金をすれば『先祖の怨念が解ける』や『子孫の病気を避けることができる』というような教義はあるのか?」という質問に対して、『そういう教義は私が知る中ではないと思う。少なくとも原理講論にはそんな話はない。先祖供養になるって言っているのは事実だがその時に「やれ苦しんでいる」とか「地獄に落ちてひどい目にあっている」とかそのことをことさら強調して何か不安がらして脅し取るような事実があったらそれは完全なる間違い』と返答しているが、この先祖解怨の話を聞けば勅使河原の嘘が明らかになる。

 先祖解怨・祝福ガイドブック第7版(2012年)の要点を番組では、現在地獄にいる先祖の霊魂をどうやって救うかを簡単に示した9ページ目のフローチャートを中心に解説している。要点を以下に示す。
 @先祖の霊は現在地獄(苦痛の生活)にいる。
 A解怨の流れは以下の通り。
   地獄→Step1:先祖解怨式100日修練会Step2:先祖祝福式40日修練会Step3:お迎え→家庭祈祷(GOAL) 
 B上記Step1〜3は韓国の天宙清平修練苑で実施。
 C先祖解怨式に必要な献金額は、1〜7代を例にとると日本人70万、韓国人6万円。原則4家系について解怨する必要があるので日本人なら70万×4=280万円となる。
 D先祖解怨式の献金が一括納入できない場合は、分割納入も認めるが、その間、先祖の霊は待機室で待つことになる。1年経つと待機室の霊は地獄に戻る。完納すれば100日修練会に進むことができる。
 E先祖解怨は120代まで行う。その後、210代、現在では430代まで行うことが求められている。

 概略以上である。ミヤネ屋は、このガイドブックは値段表にしか見えなかったと感想を述べ、さらに内容はお見せできないが、漫画を見ると結構怖い、恐怖を感じると言っている。
 この先祖解怨の問題点を以下にまとめる。
 ・先祖が地獄にいるとし、ミヤネ屋も指摘しているように恐怖を煽っている。
 ・解怨式に必要な献金額が異常に高い。
 ・分割献金を1年以内に完納しないと再び地獄に落ちると信者の弱みにつけこんでいる。
 ・金儲けのために解怨の代数を120→210→430と増やしている。

 以上を見て分かるのは、統一教会の教義は霊魂をお金でどうにでも操れるという浅ましいものであるということである。分割払いの献金を1年以内に完納しないと待機所で待機している霊魂が再び地獄に落ちるなど完全な信者の脅しではないか。

 統一教会の発言に真実は全く無く、全て嘘であることは明確になった。統一教会は確実に解散されなければならない。日本国民の50%以上が解散を望んでいる。しかし、これで終わりではない。先祖解怨の仕組みを見て分かるように全て韓国で行われているのである。日本の信者の韓国からの直接支配が始まるだろう。献金の韓国への直接納金が次は主流になるだろう。これらの防止対策を政府は考えなければならない。メディアは今後も継続して統一教会を追求していくべきである。世界から統一教会が消滅するまで。これが日本国民の意志である。

(2022年10月19日 記)