国難増幅解散と失望の党立上げ

 昨日、小池東京都知事が会見し、“希望の党”の設立を発表した。新党の準備は側近の若狭勝衆院議員が進めてきたが、小池氏が若狭氏の力量では駄目だと判断したのか、「リセット」を宣言され、当の若狭氏は事前に小池知事から十分の説明・相談も受けぬままの会見となった。マスコミから事前の連絡は無かったのかと問われた若狭氏は、携帯が壊れていたから連絡の受けようがなかったと憮然とした表情で苦しい説明をしていたが、これが“希望の党”の実態である。要するにこの党は、小池氏のその場の独断で動く、即ち、チームワークや組織化ではなく、小池人気に頼るだけの好い加減な党だと言うことである。

 小池と言う人物は、あの“ハゲー”で有名になった豊田真由子と似ているのではないかと思う。豊田真由子は組織を動かすための人望が無い。人を育て、任せ、自分はより大きな仕事に専念すると言う組織の動かし方が分かっていない。まあ、それ以前に豊田真由子は、天皇陛下の園遊会に配偶者しか同伴できないのに代わりに自分の母親を同伴して、宮内庁の制止を振り切って母親を強引に連れ込んだりする傍若無人な人物である。そもそも園遊会の入口で宮内庁と揉めているのであるから、まともな母親であればその場で引き下がるのが普通だろうが、娘と一緒に強引に突破したと言うのであるから、この豊田家は真由子だけでなく、その母親も同様の人物と思われる。この“ハゲー”が最初に報道されたとき、この豊田親子による天皇陛下園遊会強行突破は、テレビで報道されたが、その後ほとんど報道されなくなった。不思議なことである。しかし、ネットには多くの情報が載っているので興味のある人は一度検索されたら良い。

 それにしても日本の国会議員どもは離合集散ばかり繰り返して全く進歩が無い。そもそも無能な人物はどの党に属しても無能である。有能で人を活かす道を知っているリーダーのいる党に行けば状態は変わるかもしれないが、そんな党があれば、既に与党になっているだろう。維新の党なんかもあったが、個人パフォーマンスの党がいくらあっても日本は変わらない。政治はファッションやブームではない。小池新党も自民党の補完勢力として、一定の成果を上げ、日本の民主化を遅らせる役目を果たすだろうが、数年で空中分解するだろうことは容易に想像できる。それは小池の人間性に起因したものとなるだろう。若狭のあのインタビュー時の間抜けな顔。小池も大人なら別のやり方があったはずである。若狭の立場が無い。若狭は無能でリーダシップも発揮できない人物であると小池に断じられたのも同然である。若狭の心の中には確実に小池に対する反発が既に目覚めているはずである。数年後には爆発するのではないか。細野も同じである。

 同じく昨日、安倍首相が28日の衆院解散を表明した。憲法53条に基づく、野党による臨時国会開催要求を拒み続けたあげくの冒頭解散表明。これは森友、加計疑惑が黒ですよと安倍が自分で表明したのと同じである。現在逮捕されている籠池元理事長を素晴らしい教育者と絶賛したのではないか。加計学園のあの建設工事の着手の早さはどういうことか。陰で取引がなければ、ああいうことにはならないだろう。それが正当な推論と言うものである。

 安倍は解散の大義として、2019年の消費税10%への引き上げによる増収分のうち、2億円程度を国の借金返済から幼児教育の無償化などに回す件と北朝鮮問題を挙げている。
 国の借金返済を遅らせて、国際公約である20年度の国家財政のプライマリーバランスの黒字化を放棄すると言うことは、これまで自民党政権が借金を子・孫の世代に付け替えてきた政策をさらに継続させると言う表明である。要するに目先の事情と自分の名誉が保たれればそれで良いと言う歴代自民党政権の無責任政策そのものの表明である。

 アベノミクス第一の矢で日銀は、財政法第5条で禁じられている国債の直接引き受けに匹敵する市中銀行の国債を買いあさり、挙句の果ては上場投資信託(ETF)まで買いあさって、円安を誘導すると共に株価を上昇させた。これで輸出産業と投資家は儲かったが、一般市民は何の恩恵も受けていない。欧米は中央銀行の緩和縮小に向かい始めているが、日本だけは目先の利益、要するに安倍政権の良い評価を得ることだけを目的に緩和継続を貫いている。即ち、問題の将来世代への先送りである。日銀は抱え込んだ国債とETFをいつかは吐き出さねばならない。その時日本経済はどうなるか。考えるだけでもおぞましい状況になるだろう。

 2020年に東京オリンピックが開催される。私は東京オリンピック招致に反対であった。逆に考えると何故日本は東京オリンピック招致に躍起になったのか?日本破綻を先延ばしにさせることが目的ではないのか?東京オリンピック招致に成功すれば、それを目的に公共投資を増大させられる。その場限りの経済活性を維持できる

 しかし、よく考えてみて欲しい。日本の太平洋沿岸には巨大地震の危機が迫っている。何時来るかは分からないが、日本列島で地震が活性期に入っていることは確かである。高確率で巨大地震は来る。東南海沖地震も近いと言われている。そんな中でオリンピック招致が正常な判断だったのか。また、運よく無事にオリンピックを終えたとして、後に残るのは巨大な借金と景気衰退だけである。何故なら、いつかは日銀も金融引き締めと株の売却に入らねばならない要するに安倍のやろうとしていることは問題の先送りでしかないのである。だから私は今回の解散を“国難増幅解散”と呼ぶ。

 北朝鮮問題については、安倍はのトランプの腰巾着に徹している。これが日本の危機を劇的に増大させていることに安倍は気がついていない。トランプの異常さは誰が見ても明白である。日本が外交で主体性を発揮するにはトランプにまともになれと釘を刺す立場に立つべきである。それがトランプを支持します、支持しますとまるでトランプの露払い、下僕になりきってしまっている。情けないことである。トランプの下僕になるのならアメリカの押し付け憲法を有難く頂いておけばよいのにそれには反発して改憲しようとする。まるで分裂症である。

 目先のことしか考えない政治家と国民。日本の未来は無いと思う。何も彼らに期待することは無い。巨大な国と地方の借金を負わされた若者達が可哀相である。若者達が払う税金も年金も全て親や爺さんの世代の我侭と無能で生じた借金返済に全て費やされるのである。若者と日本に明るい未来は無い

 民主主義が最善のシステムだとは全く思わないが、少なくとも財政健全化に向けて規律を維持する動きを見せている欧米は少なくとも日本よりは進んでいる。井の中の蛙で奢れる日本に未来は無い

(2017年9月26日 記)

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