マスメディアの堕落

 日韓関係が最悪の状態に陥っている。

 昨年10月30日の韓国大法院による元徴用工に対する日本企業に賠償を命じた判決とその後の日本企業の資産差し押さえの動き。
 昨年12月20日に発生した韓国海軍駆逐艦「広開土大王」による海上自衛隊P-1哨戒機に対するレーダー照射問題
 今年7月4日から実施された韓国に対する輸出3品目の管理厳格化とその後の韓国のホワイト国外し
 8月22日の韓国による軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄の決定。
 その他に慰安婦問題なども絡んで泥沼化している。 

 文在寅大統領は、日本に対する敵対心をむき出しにして、「北朝鮮と一つになれば日本に勝てる」などとあり得ない夢想に希望を託している。日本よりも義理の兄も含め反対者を抹殺し、恐怖政治で国を統治している金正恩率いる北朝鮮を取ると言っているのだから驚きである。

 そもそも新聞を始めとするメディアは、戦前は自分たちの部数獲得の為に国民の戦意高揚を煽り、国民を戦争に向かわせた。要するに自分達の利益の為に国民を戦争に駆り立てた存在なのである。新聞記者など偉そうにしているが、元々は戦前に重罪を犯した唾棄すべき存在である。そのメディアが現在は嫌韓を煽っている

 小学館の週刊ポストの「韓国なんて要らない」「『嫌韓』ではなく『断韓』だ」「10人に1人は要注意(大韓神経精神医学会)―怒りを抑制できない『韓国人という病理』」特集には批判が寄せられ、編集部がお詫び文を出すに至った。これに対して、明治天皇の玄孫である竹田恒泰は、You-Tubeで「韓国なんて要らない」のどこがヘイトだと居直っている。そもそも、この竹田恒泰という男はテレビで嘘ばかりを平気でしゃべっている。テレビの「そこまで言って委員会」では辺野古移設反対派を批判する中で「ジュゴンなんて反対派だけしか見たことない」と絶滅危惧種のジュゴンの存在を反対派がねつ造していると言わんばかりの言い方をしていた。その時は、そうなのか?と思っていたが、その後、3月18日にジュゴンが死んだ状態で発見され、調べてみると沖縄防衛局が確認している3頭のジュゴンのうちの1頭であることが確認されたという。何のことはない、ジュゴンの存在は沖縄防衛局も確認していることは公知の事実であるにもかかわらず、反対派の作り話だと嘘をどうどうとテレビで述べるような人物なのである。

 武田邦彦の発言に至っては、人間として最低である。日本人女性がソウルを旅行中に韓国人男性から罵声と暴行を受けた事件があったが、TBS系で8月27日に放送された『ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜』(CBCテレビ)で火曜レギュラーの武田邦彦・中部大学教授が、『そりゃあ日本男子も韓国女性が入ってきたら暴行しなけりゃいかんからね』と言ったというのである。この発言があったことを知って、最初は自分の発言の不当性を理解できない老害かと思ったが、武田邦彦という人物を調べてみると元々問題を抱えた人物と分かる。老害ではなく、確信犯である。

 そしてこの竹田恒泰や武田邦彦のような品のない人間を活用して間違った情報を流布させ、国民を煽って視聴率を稼ごうとしているのが現代のマスメディアなのである。

 個人的には韓国の文在寅の政治的方向性は間違っていると確信しているし、嫌韓感情も少なからずある。

 昭和の終わり頃、出張で韓国のPOSCO製鉄所に行ったことがある。日本による韓国支援が終わりかけている頃だったと思う。今思えば、世界中で全く実用化されていない、そして現在でも実用化されていない装置をPOSCOが購入して、その試運転に立ち会ったのであるが、そんな装置をなぜPOSCOが買ったのか。やっと今になって日本からの支援の金だったのかな?と思う。その当時の韓国はまだ自動車が今ほど普及しておらず、道路はバイクが多かった。製鉄所の入り口には大砲を積んだ装甲車がおり、守衛は拳銃を携行していた。月に一度は北朝鮮の夜襲に備える訓練があって、製鉄所の各所にライフル銃を持った所員が立っていた。その当時も若者の失業率は高かった。

 韓国はあっという間に車も普及し、生活も向上した。これが主に日本の支援によることは間違いないだろう。しかし、韓国に感謝されるどころか、未だに恨まれ、文在寅に至っては、永久に謝れ、みたいなことを言う。

 嫌韓でうっぷんを晴らすのは簡単なことであるが、それでは何も生まれない。話は大きくなるが、明治になって、富国強兵で大正から昭和に突入し、戦争に突き進んだ原因をどこに問題があったのか、冷静に探らねばならないと考えている。

(2019年9月8日 記)

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