退職

 6月26日を以って会社を退職した。
 家庭の問題が若干あったが、仕事を続ける意義が見出せなくなったことが主要因である。

 辞めたのは良いが、生活は苦しくなる。年金が満額もらえるのは65歳からなので、まだ3年以上ある。年金を満額もらっても月に13万位しかない。明るい老後は期待できない。

 義父母は60歳で退職してから夫婦で山登りを始めた。海外にも相当回数行っている。正にゆとり有る老後である。本当に世代間格差である。

 収入が無ければ山登りも満足にはできない。緊縮財政で新聞も今月で辞める予定である。

 本当は会社を辞める必要は無かったが、義を貫くために辞めた。世の中には、人の上に立つ立場にあるにもかかわらず、自分のこと、自分の利益しか考えない下衆が多いことも分かった。その下衆どももほとんど退治したので特に思い残すことは無い。

 ここ数日、通勤していた頃よりも疲労が激しい。何故かと考えたら、会社では冷房が効いていたが、家では昼間に冷房を使うことはほとんど無いからである。仕事で夏の昼間に蒸し暑さで汗を流したことはほとんど無い。夏が暑いことも忘れていた。退職して、夏が暑いことを実感できるようになったことは良いことである。

 会社の若者達は真面目である。中小企業の若者はやはり世間が狭くて、上昇志向が低いように感じる。逆に大企業では競争が激しく、人間関係がギスギスする傾向が強いように感じる。後輩達がこれからも長く平穏に生活できることを望むが、社会の変化は激しい。ここ10年程度のうちに業界の再編が起こるだろうから会社自体を存続させるには、経営体質を改善し、独自のマーケットを確保しておく必要がある。多分、後輩がしっかりやってくれるだろうから心配はしていないが。

 退職の日に職場の社員から花をもらった。涙が出そうになった。社員の教育には力を注いできたつもりだが、全員にまでは手が回らなかったので申し訳ないと思う。ありがとう。

 自分が育った時代は、まだ、がむしゃらが当然の時代だった。しかし、時代は変わった。“自分の部下をメンタル不調にするような者は管理職失格だ”と私は言ったが、良い会社にして欲しいと思う。昔は、部下を怒鳴り散らかしたりしたこともあるので正に反面教師である。

 さて、残った人生を何に使うかだが、いい歳をしてまだそれが分かっていないのは寂しい限りである。死ぬまでそれを探して終わるのかもしれない。

(2017年7月5日 記)

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