大山:紅葉の振子沢から象ガ鼻(1550m)
【前書き】
雪の振子沢登山の下見を兼ねて紅葉の大山を見に急遽登ることにしました。天気予報が大山付近の好天を予報しているためです。金曜の晩に出発して土曜の夜には帰らないといけないのでかなりの強行軍になります。膝の調子も悪いのですが、この機会を逃すと秋の大山を見れないかもしれないので無理して出発です。
【年月日】’06.10.28(土)
【コースタイム】
(移動)北九州出発(21:30)→(中国自動車道)→三次→(国道54号)→三刀屋→(高速)→米子IC
→大山:健康の森遊歩道入口駐車場(3:30)
(登山)健康の森遊歩道入口(7:20)→道迷い(強引に直登)→キリン峠(9:30)→鳥越峠(10:00)
→駒鳥避難小屋(10:40)→象ヶ鼻(12:35-55)→駒鳥避難小屋(14:45)→鳥越峠(15:30)
→文殊越付近で少し道迷い→健康の森遊歩道入口(16:40)
(移動)大山出発(17:00)→(国道9号)→益田→山口IC→(高速)→帰着(2:00)
【費用】高速代:行き\7,850+帰り\4,100=\11,950 ガソリン代:約850km分
【同行者】単独
【場所】国土地理院 ウオッちず地図閲覧サービス(試験公開) 533304 2万5千分1地形図名:伯耆大山 [南西]
【写真と解説】
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健康の森遊歩道入口 |
この駐車場に着いたのが28日の午前3:30。酒を飲んで車中で寝たのが4:30頃。熟睡して、周りの車の音で目が覚めたのが6:30。2時間しか寝ないで登るのはかなりきついが、やるしかない。 健康の森は気持ちの良い遊歩道を歩くのだが、右側に赤テープの分岐があったのを見落として直進した為に、いきなり道迷い。 その原因の一つは、植栽実験のピンクテープ。多分、実験者が目印に付けたのであろうピンクのテープを登山道と勘違いして、奥へ奥へと進んでしまった。 何かおかしいと気が付いたときには、かなりの距離を登っていた。 |
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槍尾根 |
2万5千分の一地形図を何度も取り出して見るが自分の位置が今一分からない。どう間違っても、登っていけば、文殊谷を登る登山道なり、正規の登山道と交差するはずだと考えて、道なき道を強引に登る。 その内、左手に綺麗な岩山がちらちらと見え始め、右後方には烏ヶ山が見えるようになった。尾根伝いに登れば、キリン峠付近の登山道に出るだろうと予想し、更に直登するが、道がない所を登るのだから大変。 写真右の稜線が槍尾根だと思います。 |
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道なき道 |
下の方は道が無くても比較的登りやすかったのですが、高度が上がるにつれて本当に登り辛くなりました。 ここまで来たら引き返すことも出来ず、登るしかありません。 枝を大きく横に広げた低木があると迂回しなければならないので更に大変でした。 かなり体力と時間を消耗したので、今日は振子沢は無理だろうか?と少し不安が頭の片隅を過ぎりました。 |
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キリン峠到着 |
手前の潅木の中からひょっこり出てきたところは、キリン峠でした。 写真中段付近の尾根が曲がっている付近の手前が文殊越、曲がった尾根の先に鍵掛峠があるはずです。 ここ、キリン峠からの見晴らしは結構良いです。 |
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キリン峠から烏ヶ山 |
烏ヶ山(からすがせん)です。奥の山頂から延びる尾根を手前に辿ると鳥越峠です。鳥越峠は写真右下の方になります。 キリン峠には来る予定は無かったのですが、出てきたところがキリン峠だったので仕方ありません。 キリン峠を下って、鳥越峠をそのまま直進すると烏ヶ山に行くことになります。 |
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キリン峠jから槍尾根 |
キリン峠を直進すると写真左下の草付きの部分を登っていくことが出来ます。写真でも僅かに道を確認することが出来ます。 私がキリン峠に出てきたとき、草付きの頂点まで行って引き返してくる登山者に出会いました。 ホームページを見るとこの槍尾根を登っている人もいるようですが、私らには関係の無い世界です。 写真右上の尖がった峰は槍ヶ峰だと思います。 それにしても今日は睡眠不足のせいか、高所恐怖症が激しいです。 |
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駒鳥避難小屋 |
鳥越峠からちょっと急坂を下ると北に向かって水平移動ですが、いつまで経っても下りに入らないので、再び道に迷ったのかと心配になりました。 このコースは鳥越峠に4方向を示す案内板がありますが、その他の場所にはちゃんとした案内板がありません。この為、下山時に再び道に迷う羽目になろうとは。 赤テープも案内板も目障りと言う人もいますが、それには同意できません。 |
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振子沢分岐付近 |
駒鳥小屋の下は崖で前は結構大きな沢です。 上流に200m位上るとこの写真の右側に振子沢の入り口があります。 ここから見る風景は、上高地から見る穂高に似ているような気がしました。 高校の修学旅行で行った上高地と自分で作った穂高のパネル。 1日中ゆっくりここで大山を眺めていたいような気になります。 |
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振子沢下流 |
実際はもっと紅葉して茶色になっているのですが、この画像では、まるで冬枯れのようです。プリントではちゃんと茶色の紅葉になっているのですが、何故でしょう。この辺がデジタルの難しいところ? 主に左側に道があるので登っていきます。 コケが付いている岩に乗って、足が滑り、2回転びました。 |
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振子沢中流 |
どんどん登っていくと両側の崖が迫って来るようになります。 斜面に岩があるので、いつ落ちてくるか分かりません。 ホームページで見た雪の振子沢には岩が雪の上に転げているので、かなりの頻度で岩が落下していると考えられます。 この写真もそうですが、実際は茶色や赤に紅葉しているのですが。プリントはちゃんと赤になっているんですが。 |
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振子沢上流 |
この付近で12時近くです。予定よりもかなり時間を食っています。そもそもこのコースはそれ程時間の掛からないコースと考えていたのですが、道迷いと元々膝を痛めていたのが影響しているようです。 もう諦めて帰ろうかと本気で考えました。最初の道迷いで体力消耗。木の枝で体を傷つけない様に長袖を着ていたので体温上昇し、1.5リットルしか持ってきていない水も残り少ない。空も少しガスが出てきた。 ここから写真右側に急坂を登って象ヶ鼻への尾根にでます。 冬ここに降った雪の上をスキーで滑走するのは良いが、スキーが出来ない人間はどうすればよいのか。 |
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象ヶ鼻から剣ヶ峰方面 |
象ヶ鼻から剣ヶ峰方面です。 結構、多くの人間がこれより先に進んでいます。 象ヶ鼻にはおばちゃん達が陣取っていました。 ゆっくりここで過ごしたいのですが、下山の時間も心配です。 しかし、ここからの景色も綺麗です。 |
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象ヶ鼻から三鈷峰 |
三鈷峰とユートピア避難小屋です。 三鈷峰には人がウジャウジャ登っています。 小学生らしき集団も登ってきました。小さな子供達が自然に親しむのは良いことだと思います。 中学生のときに学校からバスで英彦山に登りに行ったことがあります。今考えると高住神社から北岳に登ったのですが、走って登って、走って下りました。それも山登り。時が経てば、自分にあった山登りをするようになるさ。 |
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ガスが湧き始めた烏ヶ山 |
下山中に烏ヶ山にガスが湧き始めました。ガスが湧く様子を眺めていると面白いです。短時間で山の片側が真っ白くなりました。 烏ヶ山の稜線(登山道)は非常にはっきりしています。その内、登りたいと思います。 |
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振子山 |
象ヶ鼻の真東に振子山(ふりこせん)があります。 ここも一部紅葉していました。 前々回、大山寺から三鈷峰に登ったときには、烏ヶ山も小さく見え、振子山に至っては全く見向きもしなかったのですが、振子沢から登るとこれらの山にも目が行くようになります。 |
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振子沢入口 |
この写真は実際の色合いに近いと思います。下山時に撮影したものです。もう少し日数が過ぎるともっと紅葉するのかもしれません。 雪が降るとこの谷がどのように変わるのか楽しみです。雪崩なんかも多いのだろうと思います。落石は雪面上の岩の多さで分かります。登れるかどうか分かりませんが、来年の3〜4月に挑戦するかもしれません。 ここまで下山した時点で左膝はガタガタで、1.5リットルの水もほとんど飲みつくしたし、日暮れまでに下山できるか、ちょっと心配になり始めました。因みにこの時の時刻が14:42。 |
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健康の森遊歩道 |
登りにまともな道を登っていないので帰りの道がどのようになっているか、分からないのです。なんとなく不安に感じていましたが、見事に的中。 鳥越峠を下って、文殊越で文殊谷と健康の森方向に分岐があると考えていたのですが、文殊越がどこか分からない。案内板が朽ちてポールだけが立派に立っているところがあり、そこが文殊越かと考えたり。周囲は林で特徴的な物も無く、こうなると二万五千分の一地形図は役に立たない。 日暮れも近くなり、かなり真剣に野宿を考えながら、文殊谷へ下ることも覚悟して登山道を直進していると案内板も無い分岐があったので、躊躇せずに左に道をとると健康の森遊歩道に出ました。 その内、野宿の練習も一度しといた方が良いと考えています。 |
【後書き】
今回は車で6時間走行、2時間仮眠で9時間歩行、お金が無くて高速をあまり使えず9時間走行(内1時間仮眠)と50代の私にとってはかなりハードな山登りでした。このコースは元々朝飯前のコースと甘く考えており、ゆとりがあったら帰りに烏ヶ山にでも寄ってこようかと考えていたのですが、膝は痛めているし、道には迷うしで予定よりもかなり時間を食いました。
最近はガイド本の標準タイムで歩くことは、ほとんど出来なくなりました。年をとっても元気な人は元気でまるで仙人みたいな人もいますから。そういう人は皆痩せているのでやっぱり体重を落とさねばと思います。
雪の振子沢を目指して頑張ります。課題はスキーが出来ないけど、どうしようかと言うこと。