福万山(ふくまやま)(1140m)

【前書き】
 福万山は十数年前に登ろうとして登山口付近を車でさまよい、結局登山口が分からず諦めたことがあります。
 この暑い夏に涼しく山に登るために1000m以上の山を探す中で歩行距離も比較的短く、展望も良さそうなので福万山に登ってみることにしました。
 しかし、今回の登山は最悪の事態に陥ったのでした。

【年月日】’23.7.27(木)

【コースタイム】太陽光発電所西門前(6:20)→福万山(8:02−20)→太陽光発電所東門前(9:35)→(道迷い)
          →湯布院スポーツセンター→太陽光発電所西門前(11:45)

【同行者】単独

写真と解説
 
 湯布院ICから登山口の玖珠町太陽光発電所は直ぐです。湯布院スポーツセンターの前の道路を行き止まり迄進むと登山口の太陽光発電所に着きました。駐車スペースはあまりありません。
 結論から言うと湯布院スポーツセンターに止めさせて貰った方が良かった。福万山は正面右側に見えています。
 左側のフェンスに沿って登り始めます。今日は周回コースなので太陽光発電所の東門側に降りてくることになります。


 杉林の樹林帯で少しコースを外れました。梅雨の大雨で落ち葉が均一に流され、踏み跡が消えていました。ピンクテープを探すも見当たらず。YAMAPのナビでコースを修正しながら歩きます。
 鹿が多いと聞いていましたが、確かに多いです。4〜5回目撃しました。鹿が多い場所にはマダニも多いらしいので登山前に足元やズボンの裾に防虫スプレーをたっぷり施しました。
 樹林帯を超えると笹と茅の草原になります。夜露を心配してスパッツを持参していたのですが、いつもの無精でスパッツを着けることなく、靴の中まで水でぐちゃぐちゃになりました。
 この日は夜露が多く、笹の背丈は高いところは身長を超えています。要するに夜露で全身びしょ濡れ。スパッツではなく、雨具が必要でした。雨具も持参していましたが、暑いので着用するはずもありません。
 コースの北側は日出生台演習場です。ドカン、ドカンと大砲を打つ音が聞こえます。発射は写真中央の戦車のような車が西に向けて打っていますが、着弾点は確認できません。写真を拡大してみると砲塔を持った8輪の軍用車。16式機動戦闘車ではないかと思います。


 びちゃびちゃになりながら登ってくると下に太陽光発電所が見えます。車は写真手前の発電所の右上の角に止めています。下山はその左側の角に降りてくるので発電所のフェンスの外側を約300m右に歩けば車にたどり着けるのですが、私は何を勘違いしたのか、このエリアを約2時間炎天下を歩く羽目になるのです。 


 この時点で全身びしょ濡れ、靴内もびちゃびちゃ状態です。山頂は目の前に見えて、これから気持ちの良い草原歩きかと思ったら大間違い。さらにびちゃびちゃになるのです。登山者の場面ごとの切り取り写真程あてにならないものはありません。この写真を見たら山頂まで膝下の草原と思うでしょうが、何の何の。だって、ずっぽり全身笹に覆われた場所があったとして誰もそれを写真に撮って投稿しないでしょ。


 歩いてきた道を振り返ってみます。緑が綺麗で美しい。時間もまだ8時前でそれ程暑くない。しかし、全身びしょ濡れ、靴ぐちゃぐちゃで気持ち悪い。


 山頂に着きました。写真左に由布岳、右に雨乞岳、城ヶ岳でしょうか。写真中央の山の上の池は池の台と国土地理院地図には載っています。


 南に目をやると九重連山ですが、少し雲が掛かっています。


 登ってきた西の方向に目をやります。下山は写真中央から左に延びる尾根を下ります。
 山頂で乾きかけていた衣類がこの下山途中に再びびしょびしょに濡れます。さらに夜露が登山道に垂れて道が滑るのです。2、3度滑って尻餅を着きました。ズボンは濡れただけでなく、裾も尻も泥だらけです。


 途中、迷いそうになりながらやっと太陽光発電所の東側フェンスにたどり着きました。フェンス沿いに降りて、最後はフェンス外側を東から西(写真では左から右に)に向けて歩けば、何ら問題なく登山口の車にたどり着けるはずでした。
 フェンス沿いに下ると言っても雑草も生い茂り、よたよたしながらやっと9:35に太陽光発電所の東門に着きました。300m先に車は見えています。暑くなる前に下山出来て楽勝と思ったのですが、ここで私は何を思ったのか、どうやって車の所に行く?と考えたのです。YAMAPの地図を拡大してみると道は太陽光発電所の敷地内を通る道を示しているのです。フェンスの内側は当然、関係者以外立ち入り禁止の表示があるので門は開いていますが、立ち入るのは躊躇します。いい年して法令違反で注意されたくありません。さて、どうする!
 発電所の敷地内を通ることを拒否した私に残された道は!これから2時間炎天下の道路をさまよい歩くことになったのでした。本当に熱中症で倒れる寸前にまでなったのです。
 正しい道は、フェンスの外側を300m歩くことでした。YAMAPの皆さんの周回コースの軌跡もそうなっています。当初、自分もそうしようと考えていたのになぜ思考が変な方向に向かったのか、老化か、疲労か、山行の減少による勘の鈍化か、こういうことを経験すると自分で自分自身が信用できなくなります。詳しくは後書きで。

【後書き】
 フェンスの外側を歩く!を鉄則で下山してきたのに、東門が開いているのを見て、「フェンスの外側を歩く!」を何故か完全に忘れてます。
 太陽光発電所の敷地内を通らずに駐車地に戻るには一旦南下し、西側にある湯布院スポーツセンターから北上する道路に戻るしかないと考えた私は、YAMAPの地図データをもとに次の行動をとりました。
 @地図上では標高800mの東門から標高740mまで下ると沢を渡って西に行く道があり、下の太陽光発電所のフェンスを暫く南下すると西に行く道がある。
   私は沢を渡って、太陽光発電所のフェンスに沿って南下しました。ところが、絶壁に出会ったのです。フェンスと絶壁の縁との距離は40〜50cmしかありません。狭いところは20cm程度しかないようです。絶壁の高さは10m近くありそうです。落ちたら確実に負傷します。一旦、行こうとしましたが、危険なので止めました。この時点で飲み水も殆ど飲み干しており、気温も上昇しており、体力・気力もやばい状態でした。
 Aもう国道210号迄出るしかないのかな、と思いながら元来た道を引き返し、再び企業の別荘地帯を南下し始めました。YAMAP地図に標高575m付近から沢を渡ってスポーツセンターに行く道があったので少しでも近道になるならと試したところ、無事湯布院スポーツセンターにたどり着くことができました。
 しかし、日は登ってギンギラギンに輝いています。ここから駐車地まで約1.5kの上り坂。本当に熱中症でどうにかなりそうでした。200〜300m毎に木陰で休みながら歩きました。木陰に入ると結構涼しいのですが、その木陰が200〜300m毎にしかないのです。無事車にたどり着けてラッキーでした。

【反省】
 フェンスの外側を歩くべしと自分で分かっていたのに東門のフェンスが開いているのを見た途端に判断がおかしくなりました。自分自身の頭が信用できなくなりました。老化か疲労か。
 もう一点は、YAMAPの地図はベースが国土地理院だと思うのですが、その地図に当然、最近できた太陽光発電施設は入っていません。それは地図を見れば一目瞭然なのにそれを認識できない自分とは一体何なのか。馬鹿ですね。情けない。自分の愚かさの為に自分が無駄な汗水を流すのは仕方のないことだと思うのですが、今回のミスは何とも解せません。私の頭はどうなってしまったんでしょう、という気持ち。

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