金峰山(790m)

【前書き】
 先週、山口県徳地町の白石山の物見岩から千石岳や金峰山を見て、登ってみようと考えていました。特に金峰山の西側斜面の標高500mには広さ約5000uにわたって明神の藪と呼ばれる落葉性広葉樹の森があり、目通し幹周5.25mのカツラ、3.8mのウラジロガシ、3.3mのイロハモミジなど巨樹もある(周南市観光協会ホームページ)と言うではないですか。また、“山口県の山”には、明神藪について「道はないが浅い谷を横切って森に入れば、あちこちの岩の間から水が噴出しており、一種異様な雰囲気の風景に出会う。」と紹介されています。
 私はカツラもウラジロガシも知りませんが、是非行ってみたい!と思いました。ところが明神の藪の位置が今一不明。確実に明神の藪に辿り着くには、一ノ岳と金峰山の尾根から下るのではなく、嶽集落から明神の藪に直接向かう道を辿るのが確実と考えて実行しました。これが悲劇の始まりでした。

【年月日】’10.10.10(日)
【コースタイム】嶽集落金峰登山口分岐(9:05)→伐採地(10:10)→明神の藪(10:30-11:00)→尾根(11:20)
          →金峰山(11:30-12:00)→一ノ岳(12:13)→思い出の丘(12:25)→分岐(12:52)
【同行者】単独

【写真と解説】


 今回は、コースが不明瞭だと言うことは分かっていたので事前に地形図をコピーして、準備をしました。
 高い山でもないので地図とコンパスを使えば、何とかなるだろう、ゆっくり登れば良いや!と考えていました。
 中国自動車道を鹿野ICで降りて、国道315号線を南下。二俣橋を渡り、直ぐ左折して嶽集落に行くと金峰山方面が右側である事を示す看板があります。私は、直進して明神の藪を目指すのでここに駐車します。ここから見える金峰山が上の写真です。中腹が伐採されています。
 写真の道を直進していくとだんだん道が細くなります。民家の中に入っていくのかな?という場所で明神の藪が左方向であることを示す角柱があり、家の裏側に回り、田んぼの縁を歩いて、沢水沿いに登っていきます。
 ところが沢伝いに田んぼから山の中に入る辺りから道が不明瞭に。所々に人の足跡があるものの、草が生い茂って行く手を塞いでいます。これはほとんど人が歩いていない証拠。迷う可能性があることは考慮済みなので慌てる訳ではありませんが、高さ2m位の雑草の塊と蜘蛛の巣が壁のようになっており、突破口が見つかりません。右に左へと移動して結局、比較的草の少なそうな所に突入です。ストックを短くして、力任せに草を薙いで進んでいきます。数mの草の壁を突破して、杉の植林帯に入りました。
 標高500mを越えて、明神の藪は近いぞと地形図で現在位置を確認しながら尾根を登っていたら、あら〜? 伐採地に出てしまいました。この伐採地、登山口から見るよりも実際は相当広い範囲を伐採しています。取り敢えず、工事道路を進んでみます。


 重機の威力は凄いですね。昔は、山で木を切ったら対岸まで張ったケーブルなんかで木を下ろしていましたが、今では重機で道を作って、あっという間です。
 写真右上にパワーショベルがいるのですが、見えますか?


 肝心の明神の藪の位置が分かりません。地形図を何度も見て、付近をうろついて、これか?とにかく辺りは全て伐採されていて、悲惨です。
 そもそも明神の藪の5000uは正方形だと一辺70mしかない計算になります。元々非常に狭い貴重な森だったのでしょう。


 確かに明神の藪らしき森には杉に混じって太い天然木がありました。そこはひんやりと冷気が漂っていました。この写真は一ノ岳と金峰山の尾根から明神の藪に下る尾根から撮ったものです。明神の藪は、左側の伐採地の下方から左側の狭い範囲です。もう周南市観光協会のホームページに載せておく価値もないでしょう。まさか周南市はこんな姿になった明神の藪を観光PRに使おうというのでしょうか。
 重機がスイッチバック方式で道を造っています。自然を壊すのはあっという間ですね。日本の林業も振興させなければならないのは分かりますが、こうやって現実を見ると寂しい限りです。


 一時雨が降りそうで慌てましたが、金峰山頂上では天気も回復し、見晴らしも最高です。


 右に向道湖と遠方は徳山湾です。


 真西に千石岳です。先週登った白石山は千石岳より僅かに右寄りの後方のはずですが、どれだか分かりません。
 それにしても千石岳はいい格好してますね。

【後書き】
 今日は草刈のための鎌か鉈を持ってないとやれないな〜と思いました。明神の藪の周りがあんな姿になっていたら誰も行きませんよね。
 ただ、時間に余裕があれば、こういう状況でも慌てずに済むことが分かりました。次は千石岳かな。

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