栗駒山(須川岳)(1627m)

【前書き】
 岩手県の中尊寺金色堂を見に行きたい!せっかく東北に行くなら山にも登りたい!昔、青森で仕事をした時の記憶では、東北は夏は結構雨が降る印象があり、行くなら九州が梅雨入りする前後が良いと判断し、決行。
 岩手迄の交通手段は車。片道約1500km。一人で運転するには遠いですが、時間はたっぷりあるので片道に2日掛けて行きます。
 現在の体力と膝の具合で登れそうな山を調べて、岩手・宮城県境の栗駒山と岩手県の焼石岳(1547m)の二座を選びましたが、より負担の少ない栗駒山を選びました。
 栗駒山には北の岩手県側には登山基地として須川温泉があり、南の宮城県側には新湯温泉くりこま荘があります。今回は値段の安かったくりこま荘に前泊して登りました。

【年月日】’22.6.13(月)

【コースタイム】イワカガミ平駐車場(8:45)→東栗駒山(10:30)→東栗駒分岐(11:05)
          →栗駒山(11:35-45)→(中央コース)→イワカガミ平駐車場(13:10)

【同行者】単独

写真と解説

 新湯温泉くりこま荘を出て、イワカガミ平に車を走らせます。イワカガミ平の標高が1113mですからくりこま荘(617m)から標高差約500mを登ります。平日にもかかわらず9時前の時点で駐車場にはそこそこの車。多くの登山者は中央コースに向かっているようでした。


 登りには東栗駒山を経由する東栗駒山コースを選択しました。このコースには登山口の名前になっているイワカガミが沢山咲いていました。登山道は全国の有名山岳の登山道と同様に浸食され始めていて溝の中を歩いていく状態です。


 大半の登山者が中央コースに行っているらしく若者登山者が私を追い越していったきりで静かな登山が出来ました。ツツジでしょうか?咲いていました。


 雪渓です。中央部の下は雪が融けて水がゴーゴーと流れているので脇を100m強登ってロープが張ってある地点を渡渉します。渡渉中に足を滑らせて雪渓の下に押し流されたらおしまいなので緊張しました。渡渉中に登山靴が水に浸かるのでスパッツで対応しました。長靴をお勧めしている方もいますが、それは水量次第ですね。
 昔、青森で河川の水質調査の仕事をした時、雪解け時期の水量の時間変化に驚いたことがあります。気温が下がる明け方は水量ちょちょろ状態が、気温が上がると午後は洪水状態。毎日この繰り返しでした。自然を理解、経験するのは中々時間が掛かるものだと思います。


 東栗駒山です。この日は日本海側に高気圧があって、北西の風だと思いますが、山の向こうから雲が湧いてきます。山頂が雲で覆われることもあり、天気がちょっぴり不安。


 東斜面の雪渓を見ると誰かスキーで滑っています。滑り降りたらまた登ってを繰り返しているようです。スキーのことは良く分かりませんが、スキーにシールというものを貼ると登りにも使えるようです。滑り降りると凄い勢いでスキーを履いたまま登っていました。


 東栗駒山から栗駒山の東に回り込んで東斜面を登っていきます。手前の雪渓を渡って、登山道を登り、再び雪渓を少し登ります。傾斜はきつくなりますが、景色も良いので全く苦になりません。


 山頂です。登山者の大半はこれから下る中央コースを往復しているようです。雲が無ければ北に焼石岳、西に鳥海山が見えるのだと思いますが、残念ながら見ることはできませんでした。


 東栗駒コースは写真中断の台地の奥側の稜線を歩きますが、これから下る中央コースは台地手前のジグザグに見える登山道を下ります。駐車場は写真右中段少し上に見えています。
 この中央コースの下半分は大きな丸石を混ぜたコンクリートで溝状に塗り固められており、味気無い道です。東栗駒山コースが高山植物がたくさんあるのに対し、中央コースにはほとんどありません。登山者によって登山道が窪み、雨によって加速度的に登山道が浸食されるのは全国の有名山岳地帯で見られる光景ですが、その対策の回答がこのコンクリート化だとすると少し悲しくなります。

【後書き】
 下山中に雪渓をスキーで滑っていた人と出会いました。若い女性でした。スキーと荷物を担いですたすたと仙人のように私を追い越して猛スピードで下っていきました。相当下った所で彼女が周りの樹木の葉を詳しく観察しているところで追い付きお話をさせて頂きました。植物関係の調査を職業とされている方のようで勉強がてら下山されているようでした。短い時間でしたが、登山口まで楽しくお話しできて楽しかったです。
 東北の山は九州とは違って風景の色合いが異なります。空気が澄んで清々しいというか。毎年遠征するのも良いなと思いました。その為にも膝改善!

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