三嶺(みうね)(1893m)

【前書き】
 三嶺は徳島県の剣山の西に位置する山です。剣山から三嶺まで縦走路もあります。せっかくの5月の連休ですので、娘に素晴らしい風景を見せて感動させたいと思い、色々考えた挙句、この三嶺にしました。

【年月日】’05.4.30(土)
【コースタイム】名頃登山口(8:10)→水の休場(8:40)→稜線(9:40)→水場(10:20)
         →三嶺(10:50〜11:25)→水場(11:50)→稜線(11:25)→名頃登山口(13:20)
【同行者】義父母、娘
【移動】(29日)北九州→(高速)→熊毛IC→柳井→(フェリー)→松山→(高速)→大豊IC→名頃

【写真と解説】

奥祖谷かずら橋から三嶺
前日、登山口に比較的近い丸石パークランドに泊まりました。場所は祖谷二重かずら橋の真正面です。

朝、少し霞んでいましたが、三嶺が目の前に見えました。

登山コースは写真左端の稜線に出て、樹林帯を登り、山頂手前の大岩下の気持ちの良いシコクザサの斜面を登ります。

登山口の標高が約1100mですから標高差は約800mです。
名頃登山口
三嶺林道を登っていくと最初の登山口がここです。標高は1120m位です。

更に林道を2km登った所にも登山口があります。そこは地図上では標高が1300m位です。

この付近に車を止めますが、それ程多くは止められそうにもありません。
新緑の登山道
登山口から新緑が綺麗でした。全体的に勾配は緩やかでゆったり登れるコースだと思いました。

水の休場は地すべり防止用の水路の辺りだそうですが、確かにコンクリートの水路がありました。溝です。

ちょっと興ざめですが、砂防提よりかは効果もあって、景観上もマシかも。
山頂手前シコクザサの斜面
山頂手前の大岩の下です。最上段の写真の山頂左にあるコブの下です。

シコクザサは背が低くて、ちょっと見ると絨毯のようです。

ここからは、剣山方面やその縦走コースの途中に当たる白髪山、中東山方面が目の前に見えます。
見ノ越、剣山、祖谷川
写真中央の谷を流れる川が祖谷川で、それに沿って国道439号線が走っています。1.5車線で非常に運転は疲れます。写真奥の峠、見ノ越まで行きます。見ノ越は剣山の登山口でリフト等もあります。見ノ越まで十数kmです。

写真右上が剣山です。

写真中段下に名頃ダムが少し見えています。二重かずら橋はそれより少し上流にあります。
山頂手前の池と雪渓
山頂はまだ写真奥の方です。

池と小さな雪渓?がありました。

この付近一帯は一面シコクザサです。

ササですが、小さくて遠めに見る分には非常に綺麗です。

他に写真で黒っぽく見えるのがコメツツジです。まだ、蕾です。

所で二万五千分の一地形図には、この付近ミヤマクマザサ及びコメツツジ群落と書いてありますので、ミヤマクマザサが正式名称かもしれません。
山頂から東、山小屋と剣山
山頂の池の近くに山小屋があります。写真中央の赤い屋根です。

写真奥は見ノ越、写真右が剣山。双眼鏡で見るとリフトが見えました。写真から右に少し外れますが、次郎笈も見えます。

山頂に30分以上いましたが、見飽きることがありませんでした。

そのうち、剣山からここまで縦走したいものです。
山頂から南、白髪山方面
山頂から南には剣への縦走コースでもある白髪山への尾根が分岐しています。

白髪山(1761m)、中東山(1685m)、高ノ瀬(1741m)、丸石(1684m)、次郎笈(1929m)、剣山(1955m)と続きます。

アップダウンは比較的少ないみたいで歩きやすそうです。
山頂から西、西熊山方面
山頂から西には西熊山(1816m)、天狗塚(1812m)への縦走路が続きます。

西熊山は写真中央右寄りの峰だと思います。この付近、色々なコース選択の余地があると思いますが、ネックとなるのは交通手段かもしれません。

貞光から見ノ越に至る国道438号線も酷い道でしたが、祖谷川沿いの国道439号線はもっと狭くて運転しづらい道でした。
山頂から北
北側にも壁のように山並みが続いています。
矢筈山(1848m)、前烏帽子山(1683m)、寒峰(1605m)等ではないかと思いますが、良く分かりません。

今回は民宿に泊まりましたが、この付近で宿泊するのなら祖谷川沿いのキャンプ場が絶対にお奨めです。
山頂下のシコクザサの原
山頂の少し下はミヤマクマザサの原っぱです。
この付近に遭難碑が2枚、岩に張ってあります。4月と2月に遭難されたようです。

ガイド本によると三嶺は県下で最も多くの人命を奪った山とあるので天候が急変しやすいのだろうと思います。

昔はゴアテックスも無いし、現在とは比べ物にならないくらい品質の劣る道具で山に登っていたのですから、遭難事故も多かったのだろうと思います。
かずら橋の行列
下山後、宿を取った西祖谷山村の民宿に移動しました。

かずら橋は東祖谷山村の二重かずら橋とここ西祖谷山村のかずら橋があります。

橋を渡るのに500円掛かります。凄い行列です。

東祖谷山村の方が道が悪く、田舎なので人は少ないような気がします。
かずら橋
昔から秘境に憧れ、教養文庫「落人伝説の旅」等を読んでいました。それによると明治中期までは祖谷川にかずら橋が13あったが、昭和40年頃には、ここ1箇所になったこと。

この写真はかずら橋と平行して掛けられているコンクリートの橋の上から撮影しているのですが、昭和40年頃は板の橋で、それでも興ざめすると書かれています。
かずら橋イベント広場整備工事
かずら橋の反対側では巨大なコンクリート化の工事をやってました。

「かずら橋イベント広場」だって?

西祖谷山村って、平家の落人伝説があるように、山深いところに特徴があると思うのだけど、こんな大建築工事をして何をするつもりなんだろう。

飛騨の白川郷、肥後の五家荘、それと祖谷が日本三大秘境だそうですが、もう日本に秘境と言われる場所は無くなったような気がしました。

【後書き】
 かずら橋イベント広場の工事を見て、がっかりしました。急傾斜の山肌にへばりつくように建っている家の間を走る「ロバのパン屋」の音。北九州と全く一緒じゃないか。そりゃ、ここで生活する人も便利な生活をしたいだろうことは当然だけど、都会と同一化したら、祖谷の存在意味は無くなって、過疎化が進行するだけじゃないのだろうか。

 三嶺は非常に面白い山でしたが、単独で登るのは勿体無い山です。是非、剣からの縦走をしてみたいものです。

 娘は感動してくれたかな?

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