大崩山(おおくえやま)(1643m)
【前書き】
テンカラ釣りを始めたが、まだヤマメを釣っていない。綺麗な清流で竿を振ってみたいと三里河原へ行くことを考えた。しかし、山行当日の朝、禁漁期間を調べたら10月は既に禁漁期だった。さらに美人の湯でヤマメ釣りについて確認したら吐野から上流はやはり森林生態系保護地域で禁漁だけでなく、草木や石ころ一つにしても持ち出し禁止地区であった。
半年以上山を歩いていないが、今回もブルーシート泊のテストも兼ねて三里河原方面を探索した。
【年月日】’15.10.3(土)〜4(日)
【コースタイム】
(移動)
会社(7:10)〜延岡IC(10:00)〜上祝子登山口(11:10)
上祝子登山口(11:15)→大崩山荘(11:55-12:15)→湧塚分岐(12:45)→喜平越谷出会(13:35)→五葉ダキ(14:20)
→吐野(15:05)→テント場泊(15:40)
(4日)
テント場(7:00)→吐野(7:25)→五葉ダキ(8:05)→湧塚分岐(9:50)→大崩山荘(10:25)→登山口(11:00)
(移動)
美人の湯(12:15)〜北川道の駅(13:00-40)→北川IC(13:40)〜会社(16:50)
【同行者】会社I部長、Iさん、Tさん
前回の記録を見ると6年ぶりの大崩山です。
今回は山には登らず、標準時間では片道3時間半の散歩コースということで会社登山部を誘ったのですが、ちょっと違っていました。
久々にみる大崩山荘は健在です。今年の3月24日にこの付近でクマと思われる体調50〜60cmの動物に遭遇したとの情報があったと登山口に案内が掲示してありました。ここは祖母・傾にも近いし、クマが残っていても不思議ではないかもしれません。
今回の目的の一つは前回に続き、ビニールシート泊のテストです。テントはそれなりの重量があるので還暦を過ぎた身には重く感じます。
今回はI部長が挑戦しました。標高約1000mですが、夏用の寝袋で特に寒くなかったとのことなので雨が降らないなら十分に使えるのではないかと思います。
夜のメニューは定番のシャブシャブ(豚)と残った汁でチャンポン麺です。しかし、荷揚げはきつかった。
渓流の水は澄みきって綺麗。ヤマメも泳いでいるのが確認できましたが、禁漁なので残念。
それにしても6年前に大勢が堂々と釣っていた人々はここが森林生態系保護地域であることを知らないのか、知っていたのか。明確に掲示しない行政の罪は大きいと思う。
最近の雨で6年前に比べたら相当増水していますが、これよりも水量の多い時に下ったこともあります。
増水するとコースを探すのが中々難しいと思います。
いや〜、こんなところで釣りをしてみたい。
自分では散歩コースという認識でしたが、メンバーにとっては日頃担がない重量を背負って、崖や足場の悪い道で往生したようです。
確かに一歩足を踏み間違えると転落するような場所が多くて、比較的危険が多いコースだと思います。
五葉ダキの一部を水がじゃぶじゃぶと流れていました。ここでT嬢が足を滑らせて相当危険な状況になりました。
強い高所恐怖症のようです。私もそうなので分かりますが、怖いと感じたら体が言うことを聞かず、どんどん悪い方向に行くのです。
山荘から川に降りてみました。右手前の岩峰が坊主尾根で右の岩峰が小積ダキだと思います。
綺麗ですね。下山した時に登山口に車は多くありましたが、下山中に出会ったのは1名だけなので皆さん坊主尾根か湧塚コースに行かれたのだろうと思います。
【後書き】
三里河原は昭和49年版九州の山で禁漁区だろうと分かっていましたが、祝子川はヤマメ釣りの放流河川でもあるので期待していたのですが、やっぱり駄目でした。
今回、吐野から上流が森林生態系保護地域ということが分かりましたが、是非明確な表示をしてほしいと思いました。6年前も同じことを書いていますが、何も変わっていませんね。
【前書き】
約20年前モチダ谷を通って下山したことがあります。その時、素晴らしい景色に瀬戸口谷辺りでテント泊してみたいと思いました。ただ、河原でテント泊は一般常識では危険ですし、また、どこでもテントを張ることは許されません。
今回、HPで大崩山の沢とテント泊について調べると数箇所のテント場があることが分かりました。
大崩山のちょっと奥深くの沢へテントを担いで分け入ってみることにしました。
【年月日】’09.9.20(日)〜21(月)
【コースタイム】
(移動20日)
会社(6:05)〜宇佐IC(7:20)〜佐伯IC(8:30)〜延岡(9:40-食料買出し、昼食-11:00)〜上祝子登山口(12:00)
上祝子登山口(12:15)→大崩山荘(12:50)→湧塚分岐(13:15)→喜平越谷出会(13:55)→五葉ダキ(14:30)
→吐野(14:50)→モチダ谷出会(15:35)→金山谷遡行→中瀬松谷出会(16:10)→中瀬松谷遡行
→権七小屋谷出会(16:55)→権七小屋谷遡行→権七小屋谷テント場泊(17:00)
(21日)
権七小屋谷テント場(7:00)→権七小屋谷出会(7:05)→中瀬松谷遡行→モチダ谷バイパス入口(8:05)
→尾根(8:30)→モチダ谷(8:50)→飛行機遭難碑(9:45)→尾根合流(10:10)→上湧塚(10:50-11:10)
→中湧塚(通過)(11:30)→下湧塚(通過)(11:50)→袖ダキ(12:30)→湧塚分岐(14:00)
→大崩山荘(14:30)→登山口(14:55)
(移動)
上祝子登山口(15:00)〜延岡(16:00)〜佐伯IC(17:15)〜宇佐IC(18:30)〜会社(20:20)
【同行者】会社M君
【写真と解説】
五葉ダキは花崗岩の大きな岩場です。約20年前にも通過しているのですが、あまり印象に残っていません。
色々HPで調べると五葉ダキという名前が付いているようです。
五葉ダキからは対岸の尾根が見えます。
写真奥が坊主尾根で大きな岩が米塚です。
手前の尾根が湧塚コースです。今回は湧塚コースを下山に使いました。
吐野から河原に降りましたが、水が非常に少なく、20年前の記憶と全く印象が違います。
期待していた瀬戸口谷も記憶と全く異なります。
川を遡行していた人が「今から山に入るんですか?」と聞くので「テント持ってますから。」と答える。
15時だから非常識と言えば、非常識。ただし、テント場はいたるところにあるので、暗くなったらそこで寝たらよいので気楽。
写真奥の青い物はブルーシートで作ったテント。
ヤマメを釣って、焼いて食べようと準備をしていました。
そもそもここは特別保護区でヤマメは禁漁と聞いていたが、ヤマメ釣りの人間が多く入っている。実際に大きなヤマメをどっさり釣っていた。
山域のどこにも禁漁の看板もないが、どうなっているんだろう。私の勘違い?
私も釣りは好きなので禁漁でないなら、当然釣りたいのだが。
九州の中では、大崩山は自然が残った数少ない山の一つ。この山に監視員の一人も見ることができないのは、日本の自然保護行政の拙劣さを見る思いがします。
三里河原を歩いていきます。
ずっと地形図を見ているわけではないので、どこを歩いているか、分からなくなります。
水量が少ないので所々水が伏流して水が無くなります。そんな所にもヤマメの姿が見えます。
いきなり目の前に滝が現れました。ここはどこ?
多分、モチダ谷出会だと思います。写真中央左寄りの谷がモチダ谷でしょう。
私達は滝を越えて三里河原をさらに上流に進んでいきます。
それにしても全然表示がありません。登山の力がつきます。頼りになるのは、コンパスと地図と判断力のみ。
中瀬松谷に入りました。この分岐も良く分かりませんでした。
地形図では谷の入口の大きさは分かりません。方向もあまり当てに出来ません。谷は湾曲している場合があるので。
表示も無いので最後は感です。
中瀬松谷を登っていきます。岩は基本的には滑らないのですが、緑のコケが生えている部分は滑ります。
段々薄暗くなってきたので少し焦りました。
岩の上を歩いたり、赤テープに従って岸を歩いたり。不思議とこの谷には赤テープが貼ってあります。
この後、権七小屋谷出会がどこか探しますが、分かりません。
地形図に明確に載っていない谷があり、判断を誤らせます。
どんどん暗くなる中でやっと権七小屋谷を探し当てることができました。
テント場には先客が1組いました。
晩御飯は、延岡のジャスコで買った豚肉のシャブシャブです。
肉は延岡で買うことにしていたのですが、肉を売っているような店を探して延岡市街をうろうろ。結局ジャスコです。だいぶ時間を無駄にしました。
バーナーはキャンピングガスCV−250を使うタイプですが、出発前日にこれが製造されていないことを知りました。
持っているガスは約20年前の1缶と使い残り1缶の併せて1.3缶分程度。
シャブシャブを食べながら日本酒600mLを飲みました。
食事中にアシナガバチを少し大きくしたような蜂が2匹飛んできて、肉の入っていた容器を漁っています。
膝の先でホバリングしています。飛び上がると足を後ろに格納してまるで飛行機のようです。中々仕事熱心な蜂でした。
写真はM君がブルーシートに包まって寝ているところです。
標高は1150m程度ですが、この夜は比較的暖かくて、露も降りなかったので幸いでした。
ザックも靴もシートを掛けていませんが、無防備ですね。露で濡れたり、野生動物に持っていかれたらどうするのでしょう。
昨晩は19時過ぎには寝たので、夜中に何回か目覚めました。それでも気持ちよく寝られた方です。
朝のラジオを聴くと天気は崩れる方向との事。樹林の間から夜は綺麗な星が見えていたのですが、夜が明けると確かに雲が出てきました。
テント場は広くて気持ちのよい場所です。
朝食のインスタント豚汁を作っていたら、昨晩の蜂が中間を連れてまた飛んできました。今度は3匹でした。
中瀬松谷を登っていきます。ここにも赤テープがあるのでそれに従って登っていきます。ところが、地形図上では直進している所を赤テープは左の分岐へ。
迷いましたが、赤テープに従って登ります。最後の手段はどこからでも尾根に登ればどうにかなるだろうとの考えがあるので。
予定では中瀬松谷を登り詰めて尾根に出る予定でしたが、天気が崩れそうなので、途中からモチダ谷バイパスで尾根を一つ越えてモチダ谷に入りました。
これが帰りの時間短縮になったのか、否か、今考えると若干疑問な点もありますが。
写真はモチダ谷です。
モチダ谷の飛行機遭難碑です。
昭和35年5月に航空測量中に山腹に衝突した大和航空の機長ら4人を記念した碑だそうです。
飛行機の残骸がまだ少し残っています。
下山を急いでいたので中湧塚、下湧塚は通過しました。
袖ダキも通過しようとしたのですが、上湧塚で一緒だった爺さんが袖ダキから降りてきたので、「風景はどうですか?」と聞くと「最高」というので引き返して袖ダキへ。 疲れ気味の渋るM君を連れて行ったが、良かった!ここに来たのと来なかったのでは大崩山の印象は全く違ったものになるでしょう。
特にこの袖ダキは湧塚コースを登る場合、絶対に立ち寄られることをお奨めします。たった20m程度の岩場をロープで登るだけでこの風景が見られるのですから。
右が湧塚岩峰群、右が小積ダキです。その間にあるリンドウが丘方面はガスに覆われています。
小積ダキです。
坊主尾根コースでは、この小積ダキの上に立つことができます。
久々に大型ザックを担いで歩きました。慣れていないのでバランスの保持に若干問題がありましたが、まあ良く歩けた方だと思います。
【後書き】
大崩山はダキ(崖)の美しさが有名ですが、渓流の美しさも大したものだと思います。
無事、予定のコースを歩くことができて幸運でした。
湧塚コースを登りながら袖ダキや各湧塚を通過する登山者がいましたが、何をしに大崩山に来たのか、残念なことです。
大崩山はまだまだ歩く所があるように思います。
【前書き】
大崩山は自然が残り、花崗岩の岩峰群が美しい山です。祝子川(ほうりがわ)登山口からの登山コースはどのコースも時間が掛かかるので注意が必要です。安易な気持ちで登ると事故にあう可能性が強いので気を引き締めて登りましょう。今回で4-5回目の大崩山ですが、約10年ぶりです。
湧塚の写真を撮る為に今回は坊主尾根からリンドウが丘を経由して湧塚を下山するコースを取りました。
【年月日】’04.11.21(日)
【コースタイム】
祝子川登山口(7:05)→大崩山荘(7:35)→(坊主尾根)→旧林道分岐(8:30)→小積ダキ
(10:35-11:00)→湧塚バイパス(11:25)→上湧塚(12:10)→袖ダキ(14:10)→
湧塚分岐(15:30)→大崩山荘(16:00)→登山口(16:30)
【同行者】会社同僚1名
【写真と解説】
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大崩山荘前の渡渉地点 |
坊主尾根に向かうには、大崩山荘前から祝子川を渡渉します。 祝川は水が澄んで非常に綺麗です。 渡渉地点には石の上にちゃんと丸太が掛けてあるので増水時でなければ、特に問題ありません。 川を渡って、登山道がどこにあるのか、少し迷いましたが、地図で確認して発見。 |
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米塚 |
旧林道分岐を過ぎてしばらく進むと岩場が連続し始めます。岩場に掛けられた梯子を登って行きます。 ガイド本の多くは湧塚コースを登りに使い、坊主尾根を下りに使うコースを紹介していますが、危険度と写真撮影時の光の方向を考えると今回のコースのほうが良いと思います。 |
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湧塚 |
米塚を過ぎて坊主尾根を登っていくと下りに使う湧塚が見えてきます。 左の岩は小積ダキの岩壁です。 |
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小積ダキ |
坊主尾根も終盤になると右手に小積ダキの岩壁が近づいてきます。 下小積ダキを経由してこの小積ダキに行きます。 |
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象岩のトラバース |
下小積ダキ手前に象岩のトラバース地点があります。 右下は数百mの絶壁です。 太いワイヤーが張ってあるのでそれにつかまってトラバースしますが、私は高所恐怖症なので気力が萎えて手に力が入りません。 正直言って、内心、引き返そうかと思いました。 |
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小積ダキから象岩のトラバース |
小積ダキから象岩のトラバースを見ることが出来ます。 ちょっとズームしてます。 写真中央の岩の下に見える横線がトラバース地点です。 怖がるのも分かるでしょう! |
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小積ダキから坊主尾根 |
小積ダキの岩壁の端に寄ると今登ってきた坊主尾根が見えます。 尾根の左下に米塚が見えています。 坊主尾根は景色もよいし、楽しいコースです。かなり急登ですが。 |
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小積ダキから湧塚 |
小積ダキからは湧塚も良く見えます。 中湧塚だと思いますが、岩壁上で登山者がくつろいでいるのが見えます。 今回、坊主尾根登りでは誰にも会いませんでした。 大半の登山者は湧塚コースを登りに使っているようでした。 |
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リンドウが丘から湧塚 |
リンドウが丘は坊主尾根と湧塚コースを結ぶバイパスの中間にあります。 湧塚方面の展望が良く、キャンプ適地です。 湧塚から登ってきた登山者がここで休んでいました。 今から湧塚コースを下山します。 |
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中湧塚から上湧塚 |
上湧塚展望台は通過して、中湧塚に来ました。無理して岩の上に登りましたが、怖いです。 それにしても中湧塚から見る上湧塚は山水画のように綺麗です。 この写真ではその美しさが表現されてないのが、残念。 それでも何となく雰囲気は分かっていただけると思いますが。 |
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中湧塚の岩峰 |
この岩は昭和50年版『九州の山』(山と渓谷社)に「大崩山の象徴、湧塚第二岩峰」として紹介されています。 この下にも岩場がありますが、案内が無く、コースに詳しくない人は素直に下った方がよいかも。 |
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袖ダキから中湧塚と下湧塚 |
袖ダキで湧塚岩峰群は終わりです。 写真左上に湧塚第二岩峰が見えます。 後は急な山道を湧塚分岐まで下ります。 |
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湧塚分岐の渡渉地点 |
ここにも大きな丸太とワイヤーが張ってあります。 丸太を渡ったところはキャンプ適地です。15年位に幕営したことがありますが、結構、快適でした。 この後、下山中に延岡消防本部の救急隊員4名が担架を持って登ってくるのに出会いました。 遅れて消防隊員20名弱が登ってきました。 事故があったようです。 |
【後書き】
今回は前日、美人の湯下の駐車場で車中泊とテント泊したのですが、非常に不愉快な思いをしました。
午前4時頃、駐車場に車が入ってきたので目が覚めるが、エンジン停止したので再び目を閉じる。しばらくするとその車が暖機運転をし始めた。かなり寒いので暖気しているのであろうが、ディーゼルエンジンでかなりうるさい。頭に来て懐中電灯を持って車のナンバーを控えに行く。気が付いたらしく、運転手が謝りに来る。60を越えた男性。
大体、夜中の4時に静まり返った駐車場に来て、エンジン掛けるか?登山者の車がたくさん止まっていて、車中泊している人がたくさんいるのは明白なのに。暖機運転したいなら人のいない道路脇に車を止めたらいいじゃないか。
私は何度も言っているが、今の60〜70代の人間は戦後の混乱期に育ったからなのか、非常識なのが多いんじゃないか。山で不愉快な事をしているのは大半年寄りだ。
今回、消防隊の人が橇状の担架を持って登ってくるのを見て、事故があり、救助に向かっているのだなと思った。こんな山でどうやって救助して下山させるのか、想像がつきません。
山で事故はいけないと分かってますが、今回の救助隊の人たちを見て、事故によりどれだけ多くの人たちに迷惑を掛けるか実感しました。死に方として、病院に比べたら山は適地であると考えていましたが、やっぱり山で死ぬのはまずいと考えを改めた次第です。