英霊のために我々がなすべきこと

 馬鹿な国会議員どもが、「国のために尊い命を捧げてくれた英霊のために靖国神社を参拝すべきである。」という。これ程、英霊を馬鹿にした発言もないと思う。

 そもそも日中戦争から太平洋戦争で命を落とした軍人の中で「国のために」自ら命を捧げた人間がどれだけいるのか。私はまともな軍人の中にはただの一人もいないと思う。そもそも神風攻撃の最初の特攻となった第一神風特別攻撃隊敷島隊指揮官の関行男大尉は、特攻した1944年(昭和19)10月25日の5日前の10月20日に同盟通信特派員小野田政に次のように述べている。

 「報道班員、日本もおしまいだよ。ぼくのような優秀なパイロットを殺すなんて。ぼくなら、体当たりせずとも敵空母の飛行甲板に50番(500キロ爆弾)を命中させる自信がある。僕は天皇陛下のためとか、日本帝国のためとかで行くんじゃない。最愛のKAのために行くんだ。命令とあらば止むを得まい。日本が敗けたらKAがアメ公に強姦されるかもしれない。僕は彼女を護るために死ぬんだ。最愛の者のために死ぬんだ。どうだ、素晴らしいだろう。」注)KAとは妻のこと

 森史朗「特攻とは何か」文春新書p87では、この発言の前半部分を引用して、次のように述べている。『戦後、前掲の『神風特別攻撃隊』は関大尉の特攻志願を自発的なものとし、その決意を感動的な物語に仕上げているが、命令する側がいかに志願に自発的な形態を装っても、指揮官としての関大尉自身は「命令とあらば止むを得ない」という受け止め方をしていることに、ここでは留意しておかねばならない。

 要するに安倍や麻生やその他大勢の靖国参拝の馬鹿国会議員が如何に英霊を賛美しても、実際は彼らが言うように「国のために」死んだ人間はいないのである。死なされたのである

 私の父は、南方戦線に派遣された。ラバウルとか、言っていたような気がするが、良く覚えていない。戦地に行くときか、何かの折に親が面会に来てこっそり言ったという。「先頭に出るなよ」と。誰でも自分の子供に死んでほしくないのは当たり前ではないか。無意味な戦争に国民を駆り立て、310万人もの国民を無駄死にさせておきながら、何が靖国だ。私の父は靖国の「や」の字も言ったことがない。

 英霊のために我々がなすべきことは、310万人を無駄死にさせるに至った原因を明確にし、戦争責任者を明確にし、二度と戦争をしないと誓うことだと思う。

 無責任に靖国参拝を行う馬鹿国会議員を私は許せない。英霊の冒涜である。

 今、安倍は憲法解釈変更で集団的自衛権の行使容認の方向にことを進めようとしている。戦争好きのアメリカと一体になって再び日本を戦争に巻き込ませようとしている。これは20年以上前からのアメリカの日本に対する要求事項である。安倍は、日本国憲法はアメリカの押し付け憲法だというが、一方でアメリカの言いなりに憲法改正し、アメリカを支援するために集団的自衛権を容認しようとしている。どこまで日本をアメリカに売り渡せば気が済むのか本当に日本国民としての自主性の無い人間である

 英霊、英霊と靖国に参拝するくそ国会議員。これ程、英霊の気持ちを踏みにじっている存在は世の中にないと思う。貴方達の行動は胡散臭いのである。

※安易に英霊という言葉は使いたくないが、大戦の反省を一切することなく、英霊という言葉を巧みに利用して国民を再び米国援助のための戦争に伐りたてようとする動きに対抗してあえて英霊という言葉を用いた。

(2013年8月17日 記)

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