大分県犬飼町の小学生の感動的な挨拶

 先日、大分県に同僚と車で出張した。帰りに同僚の運転する車が犬飼町で道に迷って町の路地に入り込んでしまった。

 犬飼町の昔の中心部と思うが、道路は1.5車線で両側に商店や家が並ぶ古い町並みであった。雨の降る中、細い道路を進んでいると3人の小学生の女の子が横断歩道を渡ろうと待っていた。私達の車が横断歩道の手前で止まると傘を差した3人の小さな女子たちはトコトコと横断歩道を渡り始めた。横断歩道は4〜5mしかないのであるが、横断歩道の真ん中付近まで歩いた女の子達は突然こちらに向いて礼をするとまたトコトコと横断歩道を渡って行った。一瞬の出来事であった。

 女の子たちは傘を差していたので顔は良く見えなかったが、3人の動作は揃っていたので、どこかでちゃんと教育を受けたのであろうと思う。この挨拶に私は非常に感動した。なぜ感動したのか自分でも良く分からないのであるが、思い当たる節がある。

 本来、挨拶は相手に対して正対して行うべきものであるが、この年になっても中々それができない。帰り際などはどうしても帰る方向と相手の間の45度方向に挨拶したりする。一方、この女の子たちは雨の中、ちゃんと私達に向かって挨拶をしたのである。その姿は美しかった。これが都会の長い、そして待っている車の多い横断歩道ならこのような挨拶は無用であるし、邪魔である。しかし、彼女たちの動きは滑らかで滞りなく速やかであった。

 多分、小学1〜2年生位と思ったが、犬飼町の小学校でそのような教育をしているのか、町の古くからの習慣・教育なのか、どちらにしても大切に続けて欲しいものだと思った。

(2015年12月18日 記)

TOPページに戻る