弾道ミサイル迎撃実験に失敗したシステムを高額で購入する馬鹿な日本政府

 北朝鮮の核とICBMの開発に対してこれまで軍事オタクの石破などはイージス艦とPAC3で確実に打ち落とせると嘘八百を述べていたが、トランプの腰巾着と成り果てた安倍は更にイージスアショア2基の購入を決定した。しかし、このイージスアショアに搭載予定の新型迎撃ミサイルであるSM3ブロック2Aは昨年2月の迎撃実験では成功したが、6月に失敗し、今年1月31日のハワイでの実験でも失敗している。

 そもそもこれは昔から言われていることであるが、迎撃実験は成功するように設定された条件下での実験であり、それにも失敗するようでは無用の長物以外の何物でもない。本来ならこの迎撃実験失敗を受けて政府はイージスアショア導入を見送るなり、再検討を行うのが筋だと思うが、防衛省幹部は『性能に根本的な問題があるわけではない』と訳の分からない発言をしている。ミサイルを迎撃する実験に2回続けて失敗しているのに性能に根本的な問題があるわけではないなどとどのような頭をしているのか、疑問に思う。この思考は正に戦前の日本軍の思考と同じである。要するに合理的思考ができないのである。小学生でも分かることを理解しない。

 トランプにアメリカの貿易赤字をどうにかしろと脅されて買う軍事設備なのでその性能は本来どうでもよいのであろう。役に立とうが立つまいが、アメリカから物を買えば良いというのがトランプと安倍の合意事項であろう。可哀想なのは日本国民である。

 イージスアショア等導入の非合理性を以下にまとめる。
 @政府は弾道ミサイル防衛は現状のイージス艦とPAC3で可能と説明していたが、嘘だったのか?
 A北朝鮮が日本を射程に収めるミサイルの数は200〜300発と言われており、これに全く対処できないイージスアショアを導入する理由が無い。
 Bイージスアショア導入は5年後の2023年であるが、北朝鮮問題の解決の方向性についての筋書きがない。

 政府は5年後まで北朝鮮が現在のまま存続する前提でイージスアショアを導入するつもりらしい。のんびりしたものである。5年あれば北朝鮮は核ミサイルの多弾頭化も達成するだろう。そうすればミサイル防衛も一層困難となる。即ち、政府の考え方は全て後手後手なのである。そもそも日本が有するPAC3では日本の主要部数箇所しか防衛できないのである。90%の国民は最初から見捨てられているのである。そんな明白なこともマスコミは理解していないのか、馬鹿なのか、それとも政府と一緒になって国民から隠しているのか。

 話は変わるが、佐賀県神埼市での自衛隊ヘリコプターの墜落事故で家を失った住人がネット上で罵声を浴びせられていると言う。被害にあった女児の父親の「許せないですよね」というコメントが新聞で報じられるとツイッター上に非難の投稿があふれたらしい。<何様? 墜落して亡くなった隊員の事考えねーのかよ>などと。

 日本人も地に落ちた。昔も書いたが、何の罪も無いハンセン病の患者を差別したり、沖縄の米軍部品が落下した小学校を非難したり、理解不能な下衆が世に溢れる様になった。彼らに共通しているのは事実を理解して、弱者に寄り添うと言う心が全く無い点である。彼らに人間の心を取り戻させるには、ハンセン病患者を差別する人間にはハンセン病に掛かってもらうしかないヘリコプターが落ちた被害者を非難する人間には家にミサイルでも落とすしかないと考えている。

(2018年2月11日 記)

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